房州の書庫

決戦劇真田安房守昌幸役の歴史観(個人の志向)

 史実や真実などは誰にもわからぬとは思わぬか。

 いま隣に生きる人の心の内の葛藤さえわからぬ我らが、僅かな史料で正しいと言い切ることから過ちが始まっている。

 だが過去には世の中を動かす事象が起こっている。

 事象を研究し想像することが歴史を旅することであり、歴史は事象が巻き起こした悲劇を後世に遺すために存在する学問だとワシは思う。

 義の為に武力をもった戦を正当化してはならない。

 正義と正義がぶつかれば戦となり、勝者が真の正義と己を語る。

 敗者の視点で死を美化することはあってはならない。この国が再び死を美徳とする狂乱の時代の始まりだ。

 義の為に命を尽くして戦う。響はかっこいいのかもしれぬ。義の為、犠牲になった民の命、奪われた将兵の命、命を奪われた将兵の家族の悲しみをしっかりと想い描いておるか?

 命の奪い合いを美化し正当化してよいのか?

 戦をせぬために歴史という学問があり、学ぶ知恵があり、交わす言葉がある。

 現代に生きるワシは戦などは歴史に留め、創造の読み物や芝居の中だけで表現され続けることを切に願う。

 ワシが描かせてもらた本(脚本)は、仲間の助言、指導、尽力で創作劇として展開してきた。その本の中には常にワシの切なる願いを込めてきておる。またこれからも未来への願いだけは譲れぬ。

「過去を追わず、未来を待たず、今まさになすべきことを熱心なせ」

 稀代の横着者 房州昌幸

歴代おもてなし武将真田幸村たちが演じた創作決戦劇

 ※真田祭、紅葉祭引退劇から殺陣サークル眞 演出・脚本・出演 演目

長篠語

長篠合戦を舞台に真田兄弟の最期に主従の絆を描いた決戦劇

天正(てんしょう)三年。一五七五年。設楽が原(したらがはら)。

二倍を超える織田・德川連合軍との決戦に武田勝頼と戦国最強と謳われた武田軍団は敗れた。

信濃先方衆筆頭真田源太左衛門信綱、弟真田兵部丞昌輝兄弟は、主君の命を救うため敵陣奥で不惜身命の路を定めた。

出演 真田源太左衛門信綱 真田兵部丞昌輝 於北殿(信綱正室)真田家忠臣 白川勘解由兄弟

   羽柴秀吉隊侍大将 仙石秀久 仙石家家臣 仙石治左衛門盛政 荻原孫太郎国秀 津田杉之坊妙算

公演 2013.8 真田祭

安居天神語 ラストシューティング

大坂の陣、幸村最期の一幕に家族の絆を描いた決戦劇

大坂夏の陣、僚将毛利勝永、伊木遠雄、真田家臣団たちが命を駆け開いた路を経て幸村は内府家康の馬印を倒した。

力尽き座り込む信繁(幸村)の前に越前松平衆が現れる。

信繁にモノノフとしての生き様を授けられた西尾は振える手に槍を握りしめ雄叫びをあげた。


出演 真田左衛門佐信繁 真田左衛門佐信繁影武者穴山小助

   青柳清庵 高梨内記 佐助 才蔵 豊臣家家臣 伊木遠雄

   德川家康旗本 滝川一積 越前松平衆 西尾仁左衛門

公演 2013.11 上田紅葉祭

龍の牙 道明寺の戦い 星壱号作戦

大坂夏の陣 道明寺の合戦を舞台に仲間の絆を描いた決戦劇。

幕府先鋒「龍の牙」伊達騎馬鉄砲隊の進撃を阻むため後藤基次は奮戦を続け龍の牙と謳われる伊達騎馬鉄砲隊を打ち破る秘策を己の槍と共に才蔵・佐助に託す。又兵衛の槍が幸村の手によって龍の牙に突き立てられた時、大坂浪人衆の反撃が始まる。

道明寺で伊達先方に勝利した幸村は片倉小十郎にひとつの願いを託す。


出演 真田左衛門佐信繁 腹心穴山小助 於梅 真田大助幸昌 海野六衛郎 忍びの才蔵・佐助兄妹

   大坂浪人衆 後藤基次 毛利勝永 明石全澄 長曽我部盛親 山川賢信 

   伊達政宗重臣 片倉小十郎重綱 山村六右衛門 渋谷右馬丞 

   黒脛巾組 阿部対馬 佐々木左近 横山隼人 清水沢杢兵衛

公演 2014.11 上田紅葉祭

徳川秀忠が憧れたモノノフ 真田幸村 三河物語

德川秀忠が武士の鑑として讃えたモノノフ「真田幸村」を三河物語のなかにみつける。


德川家康が世を去った。二代将軍徳川秀忠が手にしたは書には德川に牙を剥いた真田の記録、第一次上田合戦も記されていた。武士の忠義を、真田家との戦いの歴史のなか見出していく。


出演 真田昌幸・真田信幸・真田信繁・井浦守清・河原綱家・小山田茂誠 矢沢三十郎頼康

   德川秀忠・鳥居元忠・大久保忠世・平岩親吉・屋代秀正(勝永)・三枝昌吉


公演 2015.8 真田祭

OPERATION RED METEOR 武士を継ぐモノ

大坂の陣が起こる直前、九度山で吹いた東風に真田十勇士誕生の秘話を描く決戦劇

真田昌幸が永い眠りについた九度山の真田庵に東風の嵐が巻き起こる。

幕府軍と戦うことを決めた幸村、九度山郷士佐平次たちの助力を得て旅立つ真田一党の前に二代将軍隠密柳生衆が立ちはだかる。


出演 真田幸村 穴山小助 真田大助 竹林院 海野六郎・望月六郎 お江・才蔵・佐助

   九度山郷士 佐平次・甚八・十蔵・鎌之助・三好青海・伊佐兄弟

   幕府隠密衆 柳生宗矩 柳生十本刀 紀州浅野家家臣団

公演 2015.11 上田紅葉祭

真田一族の決戦劇作品を描くための元ネタになった作品・書籍・史料などを紹介

 ※上記作品の脚本は、現地を徒歩で歩き感じた風を取り入れ描かれております。

房州の書庫 一冊目は「真田太平記」 全18巻

我が祖父の愛用書であり、私は小学4年生の頃には太平記の魅せられ、祖父母の家の野山を駆けるときは草の者になった。

ストーリ概要

織田・德川の大軍に囲まれた信濃の国高遠城。

武田勝頼の弟仁科盛信は、裏切りが相次ぐ中、武田家の名誉を世に示す為徹底抗戦を続けていた。

籠る武田兵向井佐平次(むかいさへいじ)に、女忍・草の者お江(こう)が声をかける。

真田家の興隆を、武田家の滅亡から、上田合戦、大坂の陣、松代移封までを草の者の眼で描いた長編時代小説 

著 池波正太郎氏 1984年11月30日 第1版 朝日新聞社